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INTERVIEW 01
採用担当者は、なぜ社内で一番「孤独」なのか。手法を選ぶ前に“採用の核”を整える理由

株式会社インクリースジム 代表取締役 中世古 教士
なにゆえがたりラジオ(聞き手:なにゆえ株式会社 代表取締役 山本洋輔さん)|動画公開 2026年3月15日
「採用に課題を感じたら、最初に話す人」。株式会社インクリースジムの代表取締役・中世古教士さんは、自身の立ち位置をそう表現します。求人広告の営業として13年、その後は事業会社の採用責任者として4年。採用サービスを「売る側」と「使う側」の両方を経験してきた中世古さんに、企業が採用でつまずく理由と、これからの支援のかたちを伺いました。
この記事のポイント
- 求人広告の営業13年+事業会社の採用責任者4年。売る側・使う側の両方を経験
- 採用責任者時代、媒体選び以外(社内の巻き込み・プロセス設計・面接)にも力を入れ、年間採用数が「140%ぐらい上がった」
- 企業は「どの手法を使うか」に偏りがち。ゴールは応募ではなく採用
- 採用担当者は社内外に相談相手がいない「孤独」な仕事。だから客観的な視点が効く
「採用に課題を感じたら、最初に話す人」でありたい
インクリースジムが手がけるのは、採用課題のヒアリングと整理です。どこに問題があるのか、どんな改善方法があるのかを言語化し、自社で対応できることは中世古さん自身が支援。対応できない領域は、採用支援の仲間につないで必ず着地させる——いわば「採用の保険の窓口」のような存在を目指しています。
社名の「ジム」から、スポーツジムやパーソナルトレーナーと間違われることも多いそうです。
「パーソナルトレーナーのように、企業ごとのカルチャーと調和をとりながら、完全オーダーメイドで採用戦略をつくっていく。そういう意味でインクリースジムと名付けました」
求人広告13年、採用責任者4年。両方を経験したから分かること
インクリースジムの創業は2024年。それ以前の中世古さんは、20代から求人広告の営業一筋でした。リクルート系の商材を扱い、後半は総合的に「この企業のこの案件にはどの媒体が合い、どれくらい応募が見込めるか」を設計する母集団形成の提案を13年間続けてきました。
その後、声をかけられた事業会社で採用責任者として実務を担当。採用サービスの「売り手」と「買い手」の両方を経験したことが、今の支援の土台になっています。
採用責任者を務めた4年間で、着任前と比べて年間の採用数は「140%ぐらい上がった」といいます。もちろん媒体選定や協力会社との試行錯誤もやり尽くしましたが、それと同じくらい、あるいはそれ以上に力を入れたのが、社内を動かすこと、採用プロセスの設計、面接の強化でした。
「媒体以外のところを頑張ったから数字が上がった。自分で経験しているので、そこは強く伝えられます」
企業がつまずくのは「手法選び」に偏ってしまうこと
中世古さんが相談を受けてすぐに課題を見つけられるのは、頭の中に「採用までのプロセス」があるからだといいます。
多くの企業は、求人媒体がいいのか、人材紹介がいいのか、今ならSNSか——と、応募を集める手法の話に力を注ぎがちです。しかし、それはあくまで応募を集めるための手段。本来のゴールは採用です。
「どんなに応募が来ても、採用できなければ意味がありません。応募が入った後にどう対応しているか、面接は工夫しているか、入社までの間に選ばれずに終わっていないか。ゴールに向けて、どこで問題が起きているのかを見つける必要があるんです」
話を聞いていると、ある工程のことは熱心に語られる一方で、その前後が抜け落ちていることが多い。そこを指摘すると「まさにそうなんです」となる——それが、短い相談でも課題が見つかる理由です。
採用担当者は、社内で一番「孤独」な仕事
手法選びに偏ってしまう背景として、中世古さんが挙げるのが「採用担当者の孤独」です。
「採用責任者や社長は、採用のことを相談できる相手がいないことが多いんです。社内に知識のある人はあまりいないし、外部の誰かに相談するのもしづらい。本やYouTubeで学ぶことはできても、自分の会社に置き換えるところで止まってしまう」
そのなかで唯一、外部のパートナーと相談しながら進められるのが、求人広告会社と話す「集める」工程。だからこそ、そこに頼りがちになるのだといいます。
それでうまくいくケースもあり、悪いことではありません。ただ、それ以外の工程を自社で考えるか、外部のパートナーと一緒に考えるか。そこに採用を加速させるきっかけがある、と中世古さんは話します。
「うちは給料が安いから」の前に、伝えるべき魅力がある
相談のなかでよく聞くのが、「うちは給料が安いから」「不人気業界だから」「地方だから」という言葉です。
「誰と比べているのか分からないまま、悪いところの話が先に出てくるんです。でも、従業員の方が働いていて、事業が続いている以上、いいところがないわけがない。それをきちんと表現できているかどうかが一つ目のポイントです」
次に大切なのが、その魅力を誰に届けるのかというペルソナ(ターゲット)の設計。そして、毎日当たり前にやっていることほど自社の強みだと気づきにくいからこそ、客観的な視点を入れることが大きいといいます。
「企業が伝えたいメッセージは伝えているのに、求職者が知りたいメッセージは伝えていない。ここが抜けていることはかなり多いですね」
一番うれしかったのは「いったん採用ストップ」の一言
これまでで一番うれしかった出来事を尋ねると、意外な答えが返ってきました。採用責任者として4年目の秋、会社から「いったん採用ストップ」の指示が出たときです。
離職も含めて採用をかけ、採用すれば仕事が増え、仕事が増えればまた採用する——その繰り返しで、本来は採り続けることが売上に直結する業界。そのなかで、一時的に需要と供給のバランスが逆転するほど人員が充足しました。
「採用担当者は普段、『もっと早く』『もっと採れ』というプレッシャーをずっと感じながら仕事をしています。それに追いついた。採用責任者冥利に尽きるというか、思わずガッツポーズをしました」
独立のきっかけは、プロの仲間からの相談
独立を考えたきっかけは、求人広告時代の仲間からの相談でした。人事や採用の道に進んだ仲間が「どうやって採用をうまく回しているのか」と相談に来ることが何件か続き、それに答えることで相手が納得し、満足して帰っていく。
「採用のプロでも相談したいニーズがある。中小企業の多くは、そうしたきっかけがあれば改善の糸口をつかめるのに、機会がないまま苦しみ続けている。自分が独立してそうした企業と向き合えば、採用がうまくいく会社を増やせるんじゃないかと思ったんです」
独立してからは、クライアントの採用が改善して喜ばれることが、そのまま本業になっている。これまでとはまた違う感覚で、企業と伴走しているといいます。
もともとは人見知り。言葉の裏にある本音を確かめる
人の集まる場を積極的につくる中世古さんですが、もともとは人見知りだったそうです。今はビジネスパートナーとの出会いも含め、「この人はどんな人なんだろう」という興味から関わり、仲良くなれたらいいなという気持ちで輪が広がってきました。
仕事の中心は「思考の整理」。相手の言葉をそのまま受け取るのではなく、「それってこういうことですか」と確認を重ねていくと、言葉の裏に本当に言いたいことが見えてくる。「職業病かもしれないですね」と笑います。
目の前の一社の課題を、一つずつ確実に
創業時から変わらない思いは、「一生懸命採用活動をしているのに、どうすればいいか分からず悩んでいる企業を救いたい」ということ。より多くの企業に届けるためにも、今すぐ規模を追うのではなく、出会った企業の困りごとを一つずつきちんと解決していく。その積み重ねで仲間や会社が大きくなり、まだ出会っていない企業に届くことを目指しています。
現在は、採用ホームページの強化に役立つツールの開発設計にも取り組んでおり、これまでとは違う切り口での採用支援も視野に入れています。
一緒に働きたいのは、笑顔で、人に好かれる人。「仕事はいいんだけど、人がね」となるのはもったいない。相手のことを考え、その企業にとって何が正しいのかを考えられる、人が自然と集まってくるような仲間と、楽しく仕事をしていきたいと話します。
採用に悩む方へ
「採用は本当に孤独で大変な仕事です。私自身も経験しました。客観的な視点や外部の力を借りて、採用の課題とストレスをなるべく早く解決していくことが必要だと思っています。月額3万円から採用の相談に乗るプランもありますので、まずは体験してみるところから始めてみてください。一歩踏み出すことが大事だと思っています」
※ 動画でのお話をもとに、読みやすく再構成しています。最新の料金・サービス内容は株式会社インクリースジムにご確認ください。(記事更新 2026年10月15日)